芸術・自然・歴史の融合/公益財団法人 本間美術館

公益財団法人 本間美術館Hommna Museum of Art

コラム

戦国武将や大名家ゆかりの美術工芸品 1/5 ー企画展「武家の美術」よりー

学芸員:須藤 崇

現在開催中の企画展「武家の美術」では、戦国武将や大名家にゆかりのある絵画・書・工芸品と重要文化財『市河文書』を含めた全51点を、全10章に分けて展示。

このコラムでは、全5回にわたって章ごとの代表的な作品をいくつかご紹介します。

 

第1章「戦国の武人画家・山田道安」

展覧会の入口にあるケースには、戦国時代の武人画家として名高い山田道安の《枯木鳩図》(酒田市指定文化財)を展示しています。郷目貞繁や海北友松などの著名な武人画家もいますが、道安は戦乱で焼失した東大寺大仏の修復指揮に携わった人物としても知られています。親子三代にわたって道安と号し、同じ印章を用いて、画事にたずさわったともいわれており、いまだ謎の多い画家です。

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山田道安《枯木鳩図》 戦国時代末期~桃山時代

 

第2章「庄内藩主酒井家ゆかりの名品」

本間美術館には、庄内藩主酒井家ゆかりの品々が数多く収蔵されており、その多くが本間家からのご寄贈によるものです。その中でも酒井家ゆかりの名品としては、書では藤原定家《消息 十月八日》(国指定重要文化財)、絵画では谷文晁《十二カ月山水屏風》、工芸品では《大井戸茶碗 銘酒井》(国指定重要美術品)の3点が挙げられます。どれも徳川家の譜代大名としてふさわしいものばかりです。

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※一部作品の展示替えがあります。

 

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藤原定家《消息 十月八日》 (建暦元年/1211)10月8日

建暦元年(1221)10月4日、大臣任命の儀式が行われた際に、出席した息子・為家が装束規定を守らなかったことに対する後鳥羽上皇の下問への返書(手紙)。

文面では、為家の落度を認めながらも、まだ14歳の子供であり、儀式の日程が急に変更されて応じきれなかったことが記しされており、不服を言いたいのは自分のほうであるという心情を述べています。

 

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谷文晁《十二カ月山水屏風》 文政元年(1818)

江戸時代後期を代表する文人画家・谷文晁(1763~1840)が四季の山水を描いた六曲一双の屏風(写真は右隻)。右隻に春と夏、左隻(後期展示:9/23~10/11)には秋と冬の景が各三枚ずつ描かれた、文晁が五十六歳の作です。湿潤な表現を特色とする「烏文晁」と呼ばれる円熟期の大作と言えるもので、「烏文晁」とは、文晁のサインの「文」が烏のように見えることから、そのように呼ばれています。

 

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《大井戸茶碗 銘酒井》朝鮮・朝鮮時代(16世紀)

大振りの碗形で、竹節状の高台を有し、枇杷色の釉薬が薄くかかった大井戸茶碗。高台ぎわから内にかけて「梅華皮」と呼ばれる釉薬の縮れが生じており、茶人たちはその特色を大井戸の見所としてきました。庄内藩主酒井家が所持していたことから「酒井」の銘を持っています。

2016.09.11


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