芸術・自然・歴史の融合/公益財団法人 本間美術館

公益財団法人 本間美術館Hommna Museum of Art

コラム

開館70周年記念 特別公開作品のご紹介

学芸員:阿部 誠司

2017年4月9日(日)から5月23日(火)に開催する展覧会は、当館の開館70周年を記念し、現在の8代目館長・田中章夫の審美眼によって選ばれた優品をご紹介する特別展です。

本展には、現在は東京国立博物館に寄託している作品3点、
重要文化財《蒔絵二重短刀箱》、県指定文化財《葡萄栗鼠蒔絵刀筒》、県指定文化財 《小野道風 絹地切

そして、刀剣博物館から数10年ぶりに里帰りする市指定文化財《太刀 銘月山作》。

この4点を特別公開します。

いずれも日本を代表する大変貴重な芸術品で、普段は国立の博物館や海外の展覧会で展示されています。

 

 

重要文化財《蒔絵二重短刀箱 内箱 桐繋/外箱 歌所菱》 桃山時代(16世紀後半) 

豊臣秀吉の没後、伊達政宗に贈られた藤四郎吉光作の短刀を収めるためにつくられた短刀箱です。
内箱は黒漆塗の器表に五七桐繋紋(ごしちぎりつなぎもん)。
外箱は金平蒔絵(きんひらまきえ)で歌所菱(うたどころびし)を表しています。
和風と異国風の意匠の妙と入念なつくりが桃山時代の華やかさを伝える漆芸の逸品です。

 

 

県指定文化財《葡萄栗鼠蒔絵刀筒》 桃山時代~江戸時代初期(16世紀後半~17世紀前半)

 

この刀筒は鐔の部分が膨らんでおり、印籠蓋造に仕立てた口には掛金具と蝶番が取り付けられています。
総体を黒漆塗とし、絵梨子地や螺鈿を巧みに使い葡萄と栗鼠を曲面全面に描いています。
近世初期の洗練された作風を示す漆芸品として貴重であり、さらに古作の刀筒としても稀な作品です。

 

 

県指定文化財 《小野道風 絹地切》 平安時代(10世紀)

平安中期の能書家、三蹟の一人で王義之(おうぎし)の再生と言われた小野道風が、
貴族に愛読された『白氏文集(はくしもんじゅう)』の巻第四・新楽府(しんがくふ)の「澗底松(かんていのまつ)」を揮毫(きごう)した断簡です。やわらかく曲線的な表現で優美な「和様の書」の風格を示しています。
真筆とされる道風の書はほとんど数がなく、大変貴重な作品です。

 

 

市指定文化財《太刀 銘月山作》 室町時代初期(15世紀)

月山は、鎌倉時代から室町時代にかけて出羽国月山の麓を拠点として活躍した刀工の一派です。
月山の特徴は、刀身全体に波状の模様「綾杉肌」が表われていることで、「月山肌」ともいわれています。
この太刀は「綾杉肌」がはっきりと美しく現れており、
長い伝来の中で磨上(すりあげ)られることなく、うぶな状態で今日に遺っている点で貴重な作品です。

 

 

 

この他にも館長が皆様にご覧頂きたい、現代から古美術までの優品・珍品が約50点展示されます。
この展覧会を通して、本間美術館の70年のあゆみを振り返るとともに、
館長が選ぶ珠玉のコレクションをご堪能いただければ幸いです。

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2017.03.31


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